アルコールオルタナティブ革命

あけましておめでとうございます! 2025年スタートに際して、これまでの活動のリキャップと2025年のアウトルックをシェアします。

目次

🪴 新大麻法の施行

2019年末に構想し、2020年2月に会社を創業して以来、一般的には麻薬としてネガティブな印象を持たれている「大麻」を活用した事業を推進してきました。

そんな大麻を取り巻く規制が2023年に大きく改正され、2024年12月12日から新法が施行されています。この規制変更により、私たちの事業も大きな影響を受けることとなりました。結果、2023年と2024年は業績はふるわず、企業規模も縮小せざるを得ず、経営上試練の年でした。

この法改正には大きな課題があります。CBD製品に含まれるTHC(強いリラックス作用を持つカンナビノイド)の含有上限値に関する厳しい規制です。欧米諸国と比べると非常に厳格な基準が設けられており、これにより、CBDとTHCの相乗効果を活かした製品の提供が困難になりました。CBDはTHCとの組み合わせによってより高い薬理効果を発揮しますが、この規制により、顧客に対して十分な価値を提供できないジレンマを抱えることになりました。

しかし、不幸中の幸いとして、CBDが医薬品と非医薬品の両方に分類されたため、私たちのような製薬会社ではない事業者でもCBDの取り扱いを継続できる道が残されました。

🐍 アルコールオルタナティブ企業として再起動

規制の中で事業継続の可能性が残ったとはいえ、従来の事業を続けることに限界を感じた私たちは、創業当初のような緊張感と覚悟を持って、ビジネスドメインのアップデートに踏み切ることを決断しました。

新たな方向性として、アルコールオルタナティブ企業へと脱皮する決意を固めたのです。私たちはもう「CBDや大麻の会社」ではありません!

プラントベースミートが動物肉の代替品として注目され、紙タバコがイーシガレットに置き換わるように、社会の主流だったプロダクトに代わるオルタナティブが台頭する時代です。私たちは大麻もアルコールのオルタナの一つとして認識しています。

余談ですが、カーネギーメロン大が2024年に発表した研究によると、アメリカでは、22年に大麻を日常的に使用した個人は1770万人で、アルコールを日常的に摂取する個人1470万人を、計測をスタートした79年以来初めて上回ったそうです。もはや大麻がアルコールのオルタナである国も存在します。

Changes in self-reported cannabis use in the United States from 1979 to 202

🥤 Chilling Highというオルタナドリンク

Chilling Highのイメージ写真

現在、私たちが日本とアメリカで力を入れて展開しているプロダクトが、Chilling Highというアルコールオルタナティブドリンクです。

アルコールにはエタノールという酩酊成分が含まれていますが、Chilling Highはエタノールを一切含まないため、ノンアルコールドリンクに分類されます。その代わりに、リラクゼーション効果を持つカンナビノイドの一種、CBN(カンナビノール)を配合しています。

カンナビノイドは脂溶性で水に溶けにくい性質がありますが、私たちはアメリカ・オレゴンで生産されたCBNを日本国内で加工し、水分散型の物質として製品化しています。これにより、安定性が高く、吸収性にも優れた製品を実現しました。Chilling Highは、国内外でも珍しい「水分散型CBN」を活用したアルコールオルタナティブドリンクです。

私たちがアルコールオルタナティブを普及する理由は明確です。アルコールは、数あるドラッグの中で人類にとって最も有害な超危険ドラッグだからです。

イギリスの著名な精神薬理学者、デイビッド・ナット博士の研究では、アルコールは使用者自身だけでなく、他人にも多大な危害を及ぼすと指摘されています。この研究のチャートをご覧ください。一目瞭然ですが、アルコールは大麻や他の物質よりも有害性が高いと評価されています。

もちろん、アルコールそのものを全面的に否定するつもりはありません。しかし、私たちの提案は、アルコールの消費を減らし、よりヘルシーなオルタナティブドリンクへシフトすることです。これにより、個人や社会におけるハームリダクションが可能になると考えています。ちなみに、今年になってからのニュースですが、アメリカ政府は、アルコール飲料に発がんリスクの警告表示を求める動きを展開しています。これはARP(アルコール関連問題)の観点からの政策対応です。

Drug harms in the UK: a multicriteria decision analysis

ただし、日本は他国と比較して、アルコール酔いに対して非常に寛容な文化を持っています。たとえば、日本では「ノンアルコール飲料」の定義がアルコール含有量1%未満とされています。一方で、欧米諸国では0.5%未満が主流です。

また、日本では大麻に含まれるTHCの残留上限値について厳しい規制が敷かれている一方で、アルコールという超危険ドラッグに対しては非常にフレンドリーな態度が取られています。このような状況が、日本でアルコールオルタナティブを推進する難しさの一因となっています。

2年前にアメリカにも法人を設立して以来、頻繁に日本とアメリカを往復しています。アメリカでは、アルコールやカンナビノイド以外の酔い(変性意識)の可能性を探る動きが活発です。例えば、オセアニア原産の植物、カヴァを活用したカヴァバーがカリフォルニア州のLAでは増えていってます。世界にはアルコールのオルタナへの隠れたニーズが間違いなく存在します。

昨年末、忘年会のシーズンにたくさんの方にChilling Highを体験していただきました。「Chilling Highにはアルコールのような二日酔いがなくてヘルシーだ」という声はもちろん、「アルコールを飲めない人も飲み会に参加しやすくなり、交流が促進された」という声や、「アルコールは感覚が鈍くなるが、こちらは感覚が鋭くなり、集中力が増し、クリエイティブなアイディアが次々に降ってきた」という声をいただきました。試してくださり、ご意見をくださった方々、ありがとうございました!

🏥 私たちのウェルビーイングの哲学

最後に、私たちのオルタナドリンクの普及活動の根底にある哲学についてお話しします。

私たちがChilling Highを広めたい最大の理由は、ウェルビーイングの創造にあります。

これまで人類のウェルビーイング向上を担ってきたのは、主に病院やそこに所属する医師たちでした。これらの従来の医療サービスが社会にエッセンシャルな存在であることに異論はありません。しかし、それだけでは不十分な側面があるのも事実です。私たちは、こうした医療機関や医師に代わるオルタナティブな存在として、現代医療を補完する役割を果たしたいと考えています。病気を治すだけでなく、自然治癒力を高め、病気を未然に防ぐ、そんな形のウェルビーイングを追求しています。

私たちはウェルビーイングを単に身体的・精神的な健康にとどめるのではなく、社会的、霊的、環境的な側面も含めたホリスティックな視点で捉えています。Chilling Highは、植物のインテリジェンスによって生み出されたカンナビノイドを人類のテクノロジーで拡張し、水に溶けやすい形にすることで誕生しました。このドリンクを通じて、より深いウェルビーイング体験を提供し、ボディだけでなくマインド、スピリット、さらには人と社会と自然のハーモニーまでもサポートしたいと考えています。

私たちが目指す究極のウェルビーイングは、単に病気を治療することではありません。それは、人類と自然が共進化し、生命の持つポテンシャルを最大限に引き出すことです。個々の人々の生活が充実し、社会全体がより豊かなものになること。そして、人類が自然との調和を深め、未来に向けた持続可能な関係を創造していきます。

それでは、2025年もよろしくお願いします、今年もみなさまのウェルビーイングがより一層深まりますように。

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